園庭の桜はソメイヨシノ。その寿命はおおよそ100年といいますから人間の寿命より少し長いでしょうか。ぼんやりと桜の木を眺めていると、ふと 父母のことを思っていました。
父も母も大正11年生まれですから今年で87歳になります。園児たちの歌声を遠くに聞きながら、自分は父や母の幼い頃のことを全く知らないことに気がつきました。知ろうとしたことすらなかったことを、今になって気づいた、そのことに、驚いたのです。
私の知る父も母もわたしが幼稚園の頃には当然大人になっており、そこから始まる親子の記憶は時折思い出すのですが、幼い頃の父母がどんな顔をした子供だったのだろうかということについては、まったく知らないのです。それは考えてみれば仕方のないことなのです。バックトゥ−ザヒュ−チャーの映画みたいにタイムマシーンに乗って行けば会えるのですが。ここの園児のようにニコニコと天使のような顔で笑っていたのだろうと思うと急に愛しさがこみ上げて来ました。
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