◆Kのこと。
中学時代にバレーボール部で一緒にプレーした友人だ。高校は別々だったが、部活はお互いバレーボール部だったので練習試合をよくやった。何十セットやったのだろう。三年生になると私の弟も高校一年生となりKと同じ高校のバレーボール部に入ったので更に多くの練習試合をやった。
私は彼が生きているものと思っていたが、この夏私の恩師から「Kが死んだと聞いたが本当か」と問われた。弟に確かめると2〜3年前に亡くなったよ、ということだった。私の中で彼は今も若き日の姿、笑顔のままで生きている。しかし現実には2〜3年前に死んでこの世には存在しないのである。不思議なことだ。彼の死を知らなければ彼は私の中で今も生き続けていたのに。
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