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暮らしのカタチ ― 鰻 ― >>バックナンバー一覧へ戻る

 最近大和ハウス代表取締役会長樋口武男氏の書いた本が売れているという。
週刊文春に掲載されていたコラムは読んだことがある。大政奉還後、樋口氏が社長になった経緯はその昔近い筋からリアルタイムで聞いていた。当時、創業社長の石橋信夫氏は会長になられており、シプレカントリークラブで何度か見かけたことがある。足の具合が悪いようでカートに乗ってハーフだけまわっておられた。石川県能登ダイワロイヤルホテルで療養されていると聞いていたが、暫くしてから亡くなられた。

 「信夫とワシとどっちが偉い?」と聞かれ「そりゃ正好さんですがな」
お前はどっちやと思う?とY社長に聞かれて「信夫さんです」と答えたことが何度かあった。舞鶴港に戻ったとき迎えに来てくれたのは正好兄だけだった、と「私の履歴書」(日本経済新聞)に書いておられたように石橋正好氏は石橋信夫氏の実兄である。明石にある一万坪の土地にある邸宅に何度か伺ったことがある。足の悪い奥様に「竹丁」の鰻を届ける為だった。

竹丁は大阪市谷町六丁目にある鰻専門の老舗である。初代桂春団治が贔屓にした店と聞く。サラリーマンがお昼ご飯として暖簾をくぐるには抵抗のある値段であるが、確かに味はよかった。美味しいというより「うまい」と書いたほうが的確だ。その店の鰻弁当はお持ち帰り用である。その弁当を明石まで届けるのだが、着いた頃にはすでにさめている。しかし鰻のたれが微妙にしゅんでいてそれは「うまい」というより「美味しい」と言ったほうがピッタリの味付けに変化している。妙である。奥様はテーブル上の長四角の鰻重弁当を静かに食べておられた。そのとき何か会話をしたと思うが思い出せない。

 正好氏は吉野ダラーの総帥とも言われ大阪北浜の相場を動かしたと言われる人である。私自身は氏の付近に時たま立ち寄った程度の関係しかないのだが記憶に残ることがあるにはあるのである。

@ 毎日株の売り買いで何億という金を動かしながら、家に帰ると鶏が生んだダマゴの数を一個一個真剣に数えて記録していたという話。
A お前は地獄を見たというが、ワシは地獄の底を歩いてきたで。見たくらいではまだまだ本当の苦しみを知らんゆうこっちゃ。
B 「あなたが死ぬと世界はどうなりますか」「・・・大爆発して地球がなくなるじゃろな」

 すでにお二人とも亡くなられてかなりの歳月になるが、さほど親しくなったのに「鰻」という言葉に触れると記憶が蘇るのが不思議である。老舗「竹丁」は閉店したという。しかしその店の味は未だ忘れがたく味わえただけで幸せだったと思う。<藤原>

 

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