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サウスリッジホームの家造り
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暮らしのカタチ ― 盆から彼岸過ぎまで ― >>バックナンバー一覧へ戻る

 東京スカイツリー見物には父親と一緒に行きたいと思っている。ちなみに私の父は89歳です。わが社のYさんは去年の暮れに行ってきたそうである。団体ツアーのコースには三菱創始者の岩崎邸とか元総理の鳩山邸も組み込まれていましたよ、鳩山邸もすごいけど岩崎邸は比べ物にならないくらい「豪邸」でしたわ、とのことである。

 先日、恵美坂でええ物件ありますねんとの電話が入り、仲介業者のОさんと物確に行った。恵美坂一丁目といえば藤井寺市では春日丘に次ぐ高級住宅街である。高級住宅街といっても藤井寺より北野田のほうが上とか、市内の帝塚山や北畠には負けるやろとか言う人もいるだろう。吹田、豊中には更なる高級なところがあるし、では東京の田園調布で文句あるかというと、とどのつまりである。芦屋ですよー、なんぞいや。なにゆうといやす、どないいわはっても京都どすがな。とまあ、全国には高級住宅街は「ウチトコが一番」と名乗りたいところが山ほどあるとは思いますが・・・・。

 恵美坂の街を見て回る。静かである。さすが近鉄の分譲地だ。道が狭い(皮肉です)。ほとんどの道が幅員4メートルである。家の壁やら屋根をみてもさすがに古い佇まいだ。さすがに敷地だけはゆったりとってあり80坪か、それ以上である。ところどころに更地がある。近年新築された家も散見する。しかしほとんど人の姿を見ない。猫も犬も歩いていない。戦後造成されたニュータウンは同じような風景だ。重松清の「定年ゴジラ」そのものだ。東急不動産は横浜で以前販売したニュータウンを再生しようとしている。これは古くなった住宅を東急が買い取り新築さんそっくりにリフォームして再販売するという方式である。若い人でも購入可能な価格にしたい、とのことである。かれこれ4〜5年前の話なので今はどうなっているのだろうか。

 このようなオールドニュータウンは電鉄会社の各沿線に相当数あろうが、ほとんどが同様に住む人も家も古びているだろう。やはり一日も早くリフォームすべきだろう。高級住宅地は建築条件が厳しい。しかし建蔽率や容積率、壁面後退の条件など地方の条例でいくらでも改定できるはずである。現在の一区画を半分にして、40坪前後の土地が付いて、快適な4LDKの家が建てられるように条件緩和すれば、若者夫婦がどんどん家を建てるはずだ。もともと駅に近く買い物、通勤に便利な土地である。もちろん手の届く価格でなければならない。老人が土地建物を売却したときの譲渡税をなくし、新築することを条件にして相続税をゼロにすればよい。さすれば売却したお金で老人は快適な施設に入ることができるし、町には若夫婦が増え子供がどんどん生まれ、若々しい町になるはずだ。

 例えば一軒の豪邸から、ピアノの調べが流れていたり、マッキントッシュのアンプでB&W800Dが鳴っていたりしたらそれは素晴らしい高級住宅街といえよう。800Dが仮に805Dでもかまわない。むしろそのほうが高級であるかもしれない。ところがそんなことはない。草臥れた人間と家具。安物のミニコンポがラジオを鳴らしている。それが「高級住宅街」とよばれている町の現実だ。ノスタルジックな幻想である。

 今後15歳から60歳の人口を増やしていくには「オールドニュータウン」の再生が一つの方法である。しかしこれは百年の計であることを揺るがぬ信念とし、命がけでやり遂げる首長が必要となろう。 <藤原>

 

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