帯
ロゴ
ホーム 新規物件 こだわり空間 会社概要 住宅性能保証 最新広告情報 お問合せ
サウスリッジホームの家造り
サウスリッジホームの家造り
こだわりの空間
暮らしのカタチ ― コトダマ ― >>バックナンバー一覧へ戻る

 「大古さんを見たことがあるよ。大きな人やったわ」。たまに妻が言う。「電車に乗るとき、屈んではったわ」とも言う。かれこれ40年の歳月の中で5〜6回は聞いたように思う。
よほど印象が強かったのだろう。

 かれこれの始めは「ミュンヘンオリンピック」である。全日本男子バレーは準決勝でブルガリアと対戦し、2セットを先取された。松平監督は「さあ、これから2時間かけて戦うぞ」と選手たちに言った。そこから「ミュンヘンの奇跡」が始まった。ブルガリアをフルセットに持ち込み、激闘を制した。その勢いで東ドイツを破り金メダルに輝いた。東京オリンピック銅、メキシコ銀、そしてミュンヘンで金メダルの偉業を成し遂げたのである。

 大古、横田、森田、猫田、南、そして嶋岡、深尾。いまでもその名はすらすら言える。横田は腰を痛め、自転車の車輪のチューブを腰に巻いていた。猫田は指を骨折していた。世界のナンバーワンセッターの猫田をあきらめ嶋岡に全てを託した松平監督の決断は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、真田真幸にも匹敵する勝負勘の持ち主に違いない。

 大古選手は大砲と呼ばれていた。しかし私の個人的な印象は関西風に言えば「どんくさい」、きれいに言えば「不器用」な選手であった。松平監督は大古選手に「逆立ち歩き10メートル」を命じた。世界に通用する超ど級の大砲を目指せということだろう。当然「不器用な」大古には出来ない。嶋岡が手助けしたり、他の仲間たちもなんやかや励ましたりで、ついに10メートル逆立ち歩行をやり遂げたという。

 松平監督は常々「普通のことをやっていては勝てない」と言っておられた。フライングレシーブ、逆回転サーブ、天井サーブ、森田の一人時間差、バックアタック。色々研究工夫して秘密兵器を編み出したのである。本当かどうか。相手国の言葉も研究し、試合中何を言ってサインを出しているかを知ろうともしていたらしい。
 今の全日本男子バレーはどうでしょう。今回の世界選手権では10位に終わりました。対アメリカ戦第一セットでディユースを繰り返して負けてから、私は以後の試合を一切みておりません。見なくても結果は分かるからです。事実その通りになりました。

 この3〜4年ほぼ同じメンバーで全く同じ負け方をしている。10中8,9入らない福沢、清水のサーブ。23点前後のスパイクミス、サーブミス。新人の八子までほとんどダブっている。敗因を聞かれて、毎回、「高さにやられた、精神的に弱い」といったコメントをされるが、違う。技術的にヘタクソなのですと、なぜ言わない。精神的にと言うのなら永平寺で「座禅」でも組んで精神修行を一度でもしたことがおありですか。

 植田監督は悪い人ではないと判っていますが、「監督、こんなこともお分かりにならないなんて、あほとちゃいますか」と今流行の言葉を贈ります。更にアナリストも沢山揃えておられると思いますが、何を分析されているのでしょうか。素人の私でも判ることを申し上げます。まずサーブが10中8,9入るようになるまで福沢・清水は使わない。セッターの宇佐美も替える。石島は良くなっていたから使うべし。山村はOK。米山は大事なところでスパイクを打ち下ろし身の程を知らない所がある。結局相手のブロックに捕まるから、ブロックの指先第二間接に当ててブロックアウト出来る技術が身に付くまで使わない。あと望むのはできるだけ新人で戦ってほしいということです。3年も4年も同じメンバーなのだからほとんど相手方に分析され尽くしているに違いないからです。サーブに関しては、ジャンピングフローターサーブでそれぞれの選手が独自の魔球をマスターすること。ノーブロックで打ち込まれることが多かったのでブロックの強化を徹底すること。相手チームのエースには必ずマンツーマンでブロックをつけること。相手の攻撃パターンを研究して悪くともワンタッチを取ること。フェイントでかなり点をとられていたので、不思議なフェイントを考案すること。例えば本人は本気で強烈スパイクをしたつもりが、若干タイミングが狂って指先でチップ、ボールは相手ブロックの背後にポタリと落ちるような技を開発する。強打ばかりが能ではない。柔良く剛を制す。緩急、強弱、拙速を織り交ぜて相手のリズムを狂わせることだ。要は相手コートにボールを落せば良いのだから不細工な点の取り方でもよい。足で蹴っても良いルールとなっているのだから遠慮は無用だ。全日本女子が今大会で健闘したのはブロックの成功率が高まったのと、ブロックでワンタッチをとったあとのレシーブフォーメーションが上手になり自コートにボールが落ちることが少なく、粘りが出て攻撃に転じられるようになったことが挙げられる。見習うべし。

 

 

 

拝啓  松平 康隆 殿 
 
 御年80歳になられているのを承知の上で、もう一度総監督となって男子バレーの栄光を復活させてください。森田淳悟さんが「4つ勝ったら花丸あげようと思っていた」なんて情けないこと言っておられましたが、「負けたら剃るぞ!」くらい言ってほしいものです。

 何卒大所高所から再度ご指導ください。植田監督も「得意平然、失意泰然」の心構えでデーンと構えていちいち表情を変えないで敵の裏を斯いて相手を揺さぶって下さい。勝ち負けは当然大切ですが、「果たしてそのプレーは感動をあたえたか」を忘れてはなりません。今の全日本は「龍神」とか呼ばれることになっているそうですが、冗談としか思えません。「おーよくぞそこまで戦ってくれた」そう思える感動をもう一度お与え下さい。よろしくお願い申し上げます。  敬具 <藤原 憲一 拝>

 

pagetop
サイトマップ 個人情報保護方針 このサイトについて