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サウスリッジホームの家造り
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暮らしのカタチ ― 柚子 ― >>バックナンバー一覧へ戻る

 我が家の庭の柚子の木に「実」がなった。引っ越した頃に植えたので かれこれ18年である。今年の花は例年より大きくて勢いがあったので「いけるっ」という予感はあった。花数も例年より多くてその周辺をハチが忙しく飛びまわっていた。春以来、毎朝観察している。定所観察の対象は一番低くて見やすい枝にある5個の青い「実」だ。7月31日現在の大きさは直径2センチほどである。

 本当に柚子なのか確かめたい。ひょっとしたらスダチではあるまいか。大きくなるのを待てず、手ごろな実を一つモギ、薬味にして三輪池利のそうめんを食す。まさに正真正銘柚子の香りがした。一寸の虫にも五分の魂というが、一寸にも満たないこの小さな「ユズ」がかくにも香(かぐわ)しいとは。

 「桃栗三年、柿八年、梅はすいすい13年、柚子は大馬鹿18年」というらしいですからうちの柚子はことわざ通りで正統派なのです。というのは「柚子は9年でなり下がり、なしのバカめは18年」とか。なしの大馬鹿13年とも。銀杏の気違い30年。困ったところでは「女房の不作は60年」もっと困るのは「亭主の不作はこれまた一生」と色々あるようなのです。桃栗三年柿八年だけは共通しているようです

          桃栗三年、柿八年、人の命は50年 夢の浮世にささので遊べ。

 我が家の庭には他に柿の木、棗(なつめ)の木があり柚子と一緒の「18年組」です。柿のほうは滅多に実が成りません。今年はどういうわけか ほとんどの枝に「鈴なり」状態で、南東に向かってしだれ柳のように倒れてしまい、太い幹がアルミフェンスに寄りかかってフェンスが壊れそうです。棗は毎年元気一杯で今年も沢山の実を付けています。リビングの南の大きな窓の東から棗、柿、柚子と並んでいます。夏は葉が茂って日差しを防ぎ、冬には棗と柿は落葉して冬の日差しがリビングに注ぎ、自然のブラインドになっています。

 今度このお仲間に「さくらんぼ」をお迎えしようと思っています。盆明けに花壇を作って迎える準備をします。今現在は、ある邸宅のお庭に仲良く2本植わっています。「この暑い盛りに植え替えるのはむちゃでっせ」と言われているのですが、どのみち引っこ抜かれて捨てられる運命にあるサクランボなのです。「運だめしにウチへいらっしゃい。運が強ければここで生きのびられるよおォ」と私が呼びかけているのです。うまく根付くと春は桜、夏は棗、秋は柿、冬は柚子と春夏秋冬、庭が四季折々賑やかになるのです。庭木に果樹は良くないと言われることがあるようです。なに、昔、田舎の実家の庭には美味しい「公方柿」(クボウガキ)の木が植わっていました。構うことはありませんや。(山本夏彦風に言ってみました)来年の春が楽しみです。

 8月8日朝方 夢を見ていた。R大のキャンパスか御所の芝生の上で岡林信康と話していた。当時70年代の言葉で言えば「駄弁って」いた。フォークの神様と呼ばれていた彼は「自由チュウもんはどこまでも空高く飛んでゆけるものと思ってたんやね。若い頃は。そやけど凧でも高く上げようと思ったら、糸がいるねん。糸がないと高く飛ばれへんねん。」
「鳥でも高く遠く飛ぶには風がいるやろ、な」自由ちゅうもんは・・・・・・。
そんなことを言いながら岡林は歌を歌い始めた。山谷ブルース、チュウリップのアップリケ、友よ、私たちの望むものは。岡林よ、俺のききたいのは「麦畑のひばり」なんやで。加藤和枝(美空ひばりの本名)が作詞して作曲を岡林に頼んでいたあの歌をうたってくれよと言ったのに、彼はトロトロと眠りこけてしまったのだった。

 場面は竹山という人(先日エンタの神様に出てウンコの話をしていた人)と並んで田舎の坂道を歩いていた。竹山という人は肩を怒らせ、両手を振りながら世間に向かって何やらを叫んでいた。やがて家が見え窓越しにランニングシャツを着た少年が朝ごはんをほおばっていた。「あれはサキョウ君ちゃうかなあ」と思いながら歩いていたら、竹山という人が「腹へったな」といった。「寄ってご飯食べてゆきよ」と言ってやればよかったのだけれど、サキョウ君と会話する時間を邪魔されるなあと思い黙っていた。竹山という人は朝飯を誘われることなく、ふらふらと歩み去って行った。そのときフッと「自分は案外冷たい人間なんやなぁ。ご飯くらい食べさせてあげればいいのに。考えてみれば人生60年結構冷たい仕打ちを周囲にして生きてきかもしれんなぁ・・・。ほんとは情け深い人間のはずやなんやが、おかしいなあ・・・」

 

  目が覚めると楢の林でクマゼミが賑やかに鳴いていた  <藤原>

 

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